二日市徳洲会病院(福岡県)の今嶋達郎院長は1月15日、県内で行われた「小児在宅医療シンポジウム~医療的ケア児とレスパイト」にシンポジストとして参加した。同シンポジウムは2016年度福岡県小児等在宅医療推進事業の一環。

今嶋院長は第2部のシンポジウム「医療的ケア児とレスパイト」で登壇し、「小規模病院障害者病棟での小児症例入院への取組み」を発表した。障がい者病棟の特性を生かした入院診療や、内科を中心とした総合診療などを展開していることをアピール。在宅医療にも取り組んでいる点にも触れた。 このなかで今嶋院長は「開院後の次の展開」として、障がい者病棟の対象患者さんを小児にも拡大し、重症小児症例の入院にも対応していることを強調。NICU(新生児特定集中治療室)や小児病棟の重症患者さんが退院して自宅や重症心身障がい児施設に移るまで、あるいは在宅療養中の小児患者さんの入院を受け入れる“中間施設”としての役割を果たしていると説明した。

ただし、設備やマンパワーが限られているため、対象となるケースは「新たな小児科的治療が不要」である点を提示した。最後に「中間施設として、患者さんのご家族などが少しでも“在宅を行ってみよう”と思っていただけるよう、背中を押す役割を担えればいいです」と締めくくった。 各シンポジストによる公開討論も行われ、今嶋院長は近隣の医療機関と患者さんの状態変化について日頃から情報交換を図っていることや、自宅で患者さんの容態が変わった時は福岡徳洲会病院の小児科医師との連携で対応していることなどを強調した。

「志のある方と議論できて大変有意義な時間でした」と今嶋院長。「対象の患者さんを受け入れられる入院設備をもった施設は近隣に少ないため、地域にとって当院がかかわる意義は大きいと思っています」と目を輝かせた。